元・陸将補 木元寛明氏

目次
はじめに
第1章 戦いには不変の原則がある
1-1 戦いの原則 戦いには守るべき基本の原則がある
1-2 目標(Objective)目的・目標を確立し、徹底して追求せよ
1-3 攻撃(Offensive)イニシアティブを奪い、敵を我に追随させよ
1-4 集中(Mass)戦闘力は兵数の2乗に比例する
1-5 兵力の節用(Economy of force)すべてを守ろうとするものは
すべてを失う
1-6 機動(Maneuver)形而上下のあらゆる戦闘力を決勝点に指向せよ
1-7 指揮の統一(Unity of command)軍隊の指揮官はオーケストラの
指揮者のごとくあれ
1-8 警戒(Security)奇襲を防止し、行動の自由を確保せよ
1-9 奇襲(Surprise)想定外こそが奇襲の本質である
1-10 簡明(Simplicity)シンプル・イズ・ベスト
Column❶ グスタフ・アドルフの野砲 野戦の戦術が様変わりした
第2章 戦いの基礎
2-1 戦闘力 その① ナポレオンは「戦術を知らない」と酷評された
2-2 戦闘力 その② 戦闘力しようの原則は集・散・動・静
2-3 戦闘力 その③ 戦闘力を構成する8要素
2-4 戦場の地形 地形を「OAKOC」の5要素で評価せよ
2-5 戦場の気候 暮幕に膚接して敵陣地に切迫せよ
2-6 情報 その① 情報は自動的には上がってこない
2-7 情報 その② インフォメーションとインテリジェンス
2-8 戦闘力の維持 戦闘力を維持し、増進する戦闘サービス支援
2-9 兵站 その① 段列は任務に応じて編成される非常設部隊
2-10 兵站 その② 補給幹線は戦闘力維持の大動脈
2-11 兵站 その③ 補給は主要装備から個人の格好品まで
2-12 衛星 その① 戦傷者の現状治療および後送
2-13 衛星 その② 戦闘・作戦ストレス患者の現場治療
2-14 人事サービス 部隊の人的戦闘力を維持・増進せよ
2-15 C4ISR その① 現在戦はネットワークの戦い
2-16 C4ISR その② サイバー戦は「第5の戦場」
Column❷ ライフル銃 射程と命中精度は滑腔銃の5倍
第3書 戦いのサイエンス
3-1 攻撃機動の方式 まず迂回、次いで包囲の可能性を追及せよ
3-2 迂回 防者に陣外決戦を強要
3-3 包囲 その① 敵の弱点である背後または側面からの攻撃
3-4 包囲 その② 包囲の終末段階は遭遇戦または突破となる
3-5 突破の理論 J.F.C.フラーは突破を化学的に分析した
3-6 突破 突破正面に徹底して戦闘力を集中
3-7 浸透 隙間から潜入して特定の目標を達成
3-8 徒歩行軍 事後の戦闘に最適な状態で到達する
3-9 接敵行軍 敵との接触・戦闘を予期して行軍する
3-10 遭遇戦 その① 現在戦でも遭遇戦は起こり得るか?
3-11 遭遇戦 その② 遭遇戦の特色は主導権の争奪戦
3-12 防御 その① 防御は他の決定的行為に従属する戦術行為
3-13 防御 その② 防御の勝ち目は「待ち受けの利」にある
3-14 防御 その③ 現在戦の特色は立体防御
3-15 防御 その④ 機動防御は理論上の防御方式?
3-16 戦力転換点 戦いにはターニングポイントがある
3-17 攻者の打算 その① 攻勢終末点を戦力転換点以前に求める
3-18 攻者の打算 その② 戦場から離脱する敵を速やかに捕捉撃滅せよ
3-19 防者の打算 攻勢防御は敵の撃滅が目的
3-20 後退行動 敵との接触を断ち、敵から離隔する
3-21 各個撃破の理論 その① 勝機を創意してランチェスター理論の適用
3-22 各個撃破の理論 その② 敵の兵力分離の好機を見逃すな
3-23 各個撃破の理論 その③ 対着上陸作戦は上陸直後の浮動状況を衝け
3-24 相互支援 常山の蛇のごとく心手期せず反応せよ
3-25 コンバインド・アームズ 戦闘力を最も効果的に発揮する部隊編成
Column❸ 蒸気機関の性能向上 鉄道が重要な役割を担った
第4章 戦いのアート〜指揮官の決断
4-1 旅団本部の幕僚組織 作戦を計画し、調整し、監督して指揮官を補佐する
4-2 意思決定の理論 状況判断プロセスは問題解決法
4-3 ステップ1 任務の受領 すべての活動は任務の受領から始まる
4-4 ステップ2 任務の分析 任務を分析して作戦目標を確率する
4-5 ステップ3-① 行動方針の案出 複数の特色ある行動方針案を列挙せよ
4-6 ステップ3-② 相対戦闘力 相対戦闘力は有形・無形の各要素で比較せよ
4-7 ステップ4 行動方針の分析 赤と青に分かれてウォーゲームを実施する
4-8 ステップ5 行動方針の比較 指揮官に報告する最良の行動方針を決める
4-9 ステップ6 行動方針の承認 指揮官は全人格をもって決断する
4-10 ステップ7 計画・命令の作成 計画・命令を作成して指揮下部隊に
下達する
4-11 危険見積 危険要素を識別し、危険を軽減せよ
4-12 情報見積 戦場の環境を知り、敵の可能行動を明らかにせよ
4-13 METT-TC 小部隊指揮官・リーダーの指揮手順
Column❹ 内燃機関の発明 戦い方が画期的に変わった
第5章 アートとサイエンスの叙事詩〜戦史の華
5-1 各個撃破 その① 日本海海戦はアートとサイエンスの精華
5-2 各個撃破 その② ナポレオンはガルダ湖畔で急戦術を一変した
5-3 エアランド・バトル 戦い方はフットボール方式からサッカー方式へ
5-4 南北戦争(Civil War)職人軍人が指揮する近代戦の走りだった
5-5 鳥羽・伏見の戦い 幕府には武官を養成する学校がなかった
5-6 北方4島のソ連軍 自衛隊の侵攻に備えていた?
5-7 フォークランド紛争 その① 英国はフォークランド諸島を奪還した
5-8 フォークランド紛争 その② アルゼンチンはフォークランド諸島を
失った
5-9 幻の「Plan1919」敵の司令部を攻撃して指揮系統を麻痺させる
5-10 アレシア攻防戦 カエサルの『ガリア戦記』の世界
5-11 内線作戦 最初にもっとも脅威となる敵を叩け
5-12 外線作戦 敵を包囲し、これを捕捉撃破せよ
5-13 ルンガ沖夜戦 見張り員の裸眼とレーダーの対決
5-14 スオムサルミの戦闘 フィンランド軍のモッティ戦法
5-15 独断専行 香港攻略作戦は独断専行で幕を開けた
5-16 情報軽視の体質 我が物差しをもって敵を計ることの愚
5-17 闘魂:敵中突破 海兵隊は仲間と装備を見捨てない
5-18 軍記の保持 北清事変参加の日本軍は模範的軍隊だった
5-19 北アフリカ戦線 その① 広漠たる砂の海で神出鬼没したLRDG
5-20 北アフリカ戦線 その② 砂漠戦は騎士道フェアプレイの戦いだった
5-21 兵どもが夢の跡 外国艦船の江戸湾侵入を阻止せよ
Column❺インターネットの衝撃「第5の戦場」の火ぶたは切られた
参考文献
索引